がん

有名人のがん死 宇野重吉さん

 

俳優の宇野重吉さんは、1988年に肺がんで亡くなりました。宇野重吉さんは、戦前から戦後にかけての演劇界を長年に渡って支えた名俳優です。その飄々とした風貌と軽妙な演技を持ち味として、多くの舞台に出演しました。俳優の寺尾聰さんの父親としても有名です。

 

肺がんは、肺から発生した原発性のものと、他の臓器から肺に転移した転移性のものに大別されます。さらに、原発性のものは、その性質によって、良性腫瘍と悪性腫瘍に分類されます。悪性腫瘍は、周囲の組織を破壊しながら成長して、他の臓器に転移するので非常にやっかいです。

 

肺には、様々な種類の良性腫瘍が発生することがあります。これらの良性腫瘍のほとんどは無症状であり、転移することもありません。良性腫瘍であることが明らかであり、なおかつ無症状であれば、治療を行わずに経過を観察するだけで十分です。

 

しかしながら、良性腫瘍だからといって、油断はできません。いくら良性であるといっても、腫瘍は腫瘍です。腫瘍ができた部位によっては、肺炎や息切れなどを起こす原因になります。また、良性腫瘍の中には、治療を行わずに放置していると、がん化するものもあるので要注意です。

 

良性腫瘍ががん化した場合は、手術で腫瘍を取るのが一般的です。これは肺に限らず、あらゆる部位についてもいえることですが、良性腫瘍と診断された場合、大げさに心配する必要はありませんが、経過を注意深く観察する必要はあります。

 

肺がんの要因は様々ありますが、第一にはたばこが挙げられます。たばこの煙のなかには、40種類以上の発がん物質が含まれていることが知られています。これらの発がん物質を長年に渡って摂取し続けた場合、がんが発症する可能性は確実に上がります。

 

近年の研究では、たばこを大量に吸う人ほど肺がんになりやすいことと、たばこを吸い始める年齢が早ければ早いほど肺がんになりやすいことが明らかになっています。たばこと肺がんは密接な関係にあるのです。

 

もちろん、たばこを大量に吸い続けているからといって、その人が確実に肺がんになるわけではありません。同量のたばこを同期間に渡って吸い続けていても、肺がんになる人もいれば、肺がんにならない人もいます。「肺がんになりやすい体質かどうか」ということも重要です。

 

肺がんの要因としては、たばこや体質(遺伝的素因)の他に、食事や大気汚染などが挙げられます。たばこは肺がんの要因ではありますが、原因ではありません。たばこという「わかりやすい敵」にだけ注目するのではなく、「自分を取り巻く生活環境全体」にしっかりと目を向けることが大切です。

 

がんの種類

有名人のがん死 石原裕次郎さん

 

俳優の石原裕次郎さんは、1987年に肝細胞がんで亡くなりました。当時は、患者本人にがん告知をするのが一般的ではなかったため、石原裕次郎さん本人には最期までがん告知をしなかったそうです。20世紀を代表する国民的な俳優の訃報は、多くの人に衝撃を与えました。

 

肝細胞がんは、一般的に「肝がん」と呼ばれています。肝がんには、肝臓から発生した原発性のものと、他の臓器から転移した続発性のものがあります。原発性の肝がんの約9割は肝細胞がんであり、残りの1割は胆管細胞がんです。

 

日本において、肝がんによる死亡者数は年間3万人を超えており、男性のがん死の第3位になっています。21世紀以降では、肝がんの年間発症率は横ばいになりつつあります。

 

肝がんは、他のがんとは異なり、基礎疾患として慢性の肝臓病(肝硬変など)のある場合が多いです。そのため、長期間に渡って肝細胞の破壊と再生を繰り返すことが、肝がんが発生する主要因であると考えられています。とくにB型肝炎ウイルスの保菌者は、ウイルスそのものが肝がんのベースになるといわれています。

 

日本人の場合、肝がん患者の大半は、B型またはC型肝炎ウイルスに感染しています。肝がん患者の中には、少なくない割合で「酒飲み」がいます。要は、肝硬変を起こしやすい生活習慣(大量のお酒を頻繁に飲むなど)を長年に渡って続けている人は、肝がんにもなりやすいということです。

 

そもそも、肝障害がない人に肝がんができるケースはごくまれです。つまり、肝機能が正常に保たれていれば、肝がんになる可能性は低いということです。このことから、肝がんになる可能性を抑制するためには、肝機能を正常に保つように努めることが大切である、といえます。

 

肝臓は「沈黙の臓器」とも呼ばれており、肝臓に異常が起きたとしても、初期段階では自覚症状がほとんどありません。肝がん特有の症状としては、腹部のしこりや圧迫感などがあります。肝がんが破裂した場合、腹部の激痛や血圧低下を起こすので要注意です。肝硬変が進行すると、肝性脳症という状態になり、意識障害を起こすこともあります。

 

 

肝がんに対してネガティブなイメージを抱いている人も少なくありませんが、早期発見・早期治療すれば長期生存できる可能性は高いです。他のがんと同様に、肝がんにも多くの治療法があります。これはがん治療に限らず、あらゆる物事にもいえることですが、1つの方法に固執せずに、その都度の状況に応じて柔軟に対処していくことが大切です。

 

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