有名人のがん死 夏目雅子さん

有名人のがん死 夏目雅子さん

 

女優の夏目雅子さんは、1985年に急性骨髄性白血病で亡くなりました。闘病生活を送りながらも順調に回復して、退院間近という報道があった矢先に、抗がん剤の副作用が原因とみられる肺炎を併発して急逝しました。27歳という若さでこの世を去った人気女優の死は、30年以上経過した今でも、多くの人の記憶に刻み込まれています。

 

夏目雅子さんが命を落とす原因となった急性骨髄性白血病というのは、高齢者の罹患率が高い病気です。一昔前までは、急性骨髄性白血病は「不治の病」といわれていました。ですが、近年の医療技術の飛躍的な発達によって、3~5割の患者が治癒するようになりました。時代を経ることによって、不治の病が「可治の病」になることもあるのです。

 

急性骨髄性白血病という病気に対して、明確なイメージを抱いている人はあまり多くありません。急性骨髄性白血病は、血液がんの一種です。まず第一に、血液内の骨髄にある造血幹細胞という細胞に異常が起こります。その異常が起こった細胞(がん化した細胞)が無制限に増殖することによって、正常な血液を作れなくなることが原因で発症する病気です。

 

急性骨髄性白血病は、遺伝子に何らかの異常が起きることによって発症すると考えられていますが、真相は未だにわかっていません。急性骨髄性白血病の発症頻度は、10万人に2~3人といわれています。この数字を多いとみるか少ないとみるかは人それぞれでしょう。

 

「急性」骨髄性白血病という病名からもわかるように、この病気は急速に進行するため、身体の異常に気づいた頃にはかなり進行していたというケースが少なくありません。近年では、「がんは早期発見して早期治療すれば治る病気です」という文言をあらゆる場所で見聞きしますが、早期発見を上回るスピードでがんが進行してしまってはお手上げです。

 

急性骨髄性白血病の治療法は様々ありますが、メインの治療法は、抗がん剤を用いた化学療法です。この化学療法に、造血幹細胞移植を加えることもあります。造血管細胞移植を行えば、約半数の患者が治るともいわれています。

 

「造血幹細胞移植を行えば治癒率が上がるのであれば、全ての患者が行うべきだ」という意見もあるかと思いますが、話はそう簡単ではありません。造血幹細胞移植に取りかかる前には、化学療法と放射線照射を行うことによって、造血細胞を徹底的に破壊する必要があります。

 

造血細胞を破壊するということは、患者の身体に多大な負担がかかるということです。これは造血幹細胞移植に限らず、何事にもいえることですが、芳しい成果を得るためには、それ相応のリスクを負う必要があります。「どの程度の負担を引き受けるか」は、医療行為に付随する重大なテーマの1つです。

 

がんの種類

ウモ・ウモグリーン