がん

欧米における乳がんの死亡率について

 

欧米においては、ここ数十年の間、乳がんの死亡率が低下しています。ただ、乳がんの死亡率が低下した原因はよくわかっていません。わかっているのは、乳がんの死亡率が低下したという事実だけです。

 

これは乳がんの死亡率に限った話ではありませんが、特定の病気の死亡率が低下した場合、その原因を明らかにする動きが活発化します。原因が明らかにならないと不安になるのが人間の性です。

 

ただ、病気の死亡率の原因を明らかにするのは簡単ではありません。ほとんどの場合、「原因はこれだ」というはっきりしたものは見つからず、「要因はこれだろう」というぼんやりしたものが見つかるだけです。世の中の事象の大半は、はっきりしないものなのです。

 

乳がんの死亡率が低下した要因として、「乳製品の摂取量が減ったから」というものが挙げられていますが、これも眉唾ものです。「乳製品の摂取量が減ったから、乳がんの死亡率が低下した」というのはただの観察研究に過ぎません。

 

観察研究というのは、研究を目的とした治療を行うのではなく、既に行われている治療の効果や、その予後を観察する研究デザインのことです。観察研究を行うことによって、要因と結果との相関の強さを定量的に測定することができます。

 

しかしながら、因果関係を証明する場合は、症例対照研究やコホート研究のような、要因と結果との関連の時間性を測定する研究デザインをとる必要があります。要は、はっきりとした主張を行いたいのであれば、はっきりとした手続きを踏みなさい、ということです。はっきりとした手続きを行い、はっきりとした結果を示すことではじめて、はっきりとした主張が意味を持つのです。

 

がんの種類

進行がんについて

 

進行がんとは、文字通り、ある程度進行した状態のがんのことを指します。がんというのは、早期発見・早期治療すれば高確率で治る病気ですが、進行がんの場合、その限りではありません。早期がんの治療の難易度と比べると、進行がんの治療の難易度は遙かに高いです。

 

進行がんというのは「暴走列車」です。がんがこの状態になると、終点を目指して一気に進んでいきます。ここでいう終点とは、宿主の生命の終わりを意味します。進行がんの治療は、がんが終点へ辿り着くスピードを遅くすることと、路線を切り替えることを目的として行われます。

 

がんは、初期がん→早期がん→進行がん→末期がんという具合に変化していきます。初期がんや早期がんであれば重篤な症状が出ないため、ある程度ごまかすことができます。しかしながら、進行がんになると、ごまかしは一切通用しません。進行がんでは転移や浸潤が見られ、その症状も重篤なものになります。

 

巷間では、「がんの早期発見の重要性」が喧伝されています。ですが、がんを早期発見するのは容易ではありません。「がんを発見した時にはすでに、かなり進行していた」というケースも非常に多いです。

 

「かなり進行したがん」へ至るまでには様々な兆候が身体に出ているはずなのですが、「自分だけはがんにはならない」という根拠のない思い込みによって、それらの兆候が覆い隠されてしまうのです。これはがんに限った話ではありませんが、重篤な病気(命を落とす可能性が高い病気)に相対するときに気をつけなければならないのは、「病気そのもの」よりも「病気に対する慢心」であると言えます。

 

がんの種類