がん

がんを「想像上のモンスター」にしない

 

がんという病気に対して、「一度なったらどうしようもない」「早期に発見できなければ終わり」というイメージを持っている人も少なくありません。一昔前と比べて医療技術が高度に発達した現代においても、がんという病気は相変わらず「恐怖の対象」のままです。

 

ただ、一口にがんといっても様々であり、治る見込みがあるがんもあれば、そうではないがんもあります。がんという病気を一緒くたにして必要以上に怯えるのは、あまり賢い態度とは言えません。「がんの程度」を推し量って、しっかりと向き合うことが大切です。

 

がん患者の中には、がんという病気を「想像上のモンスター」としてとらえている人もいます。がんなどの重篤な病気にかかるとネガティブなイメージを抱きがちになるので、実際のがんを置き去りにして、「想像上のがん」がどんどん凶悪化していってしまうのです。現実の世界とは違って、想像の世界には限界がありません。そのため、想像上のがんは、容易にモンスター化してしまいます。

 

これはがんに限らず、あらゆる事象についても言えることですが、物事の表面だけをみて判断するのではなく、その根っこまでしっかりと確認した上で、客観的に判断するように努めることが大切です。表面だけをみて下した評価と、表面と根っこをみて下した評価は全く異なります。「木を見て森を見ず」ということわざもあるように、物事の一部分や細部に気を取られて、全体を見失わないようにすることが大事です。

 

がんについて

「がん以前の自分」と「がん以後の自分」は全くの別人

 

一度がんになると、「がん以前の自分」にはもう二度と戻ることはできません。「治療をしっかりと受けてがんが治れば、がん以前の自分に戻れるのではないか」という意見もあるかもしれませんが、それは違います。たとえがんが治った(と見なされた)としても、がん以前の自分に戻ることはできません。「がん以前の自分」と「がん以後の自分」は全くの別人なのです。

 

よく、がん患者に対して、「がん患者になる以前と同じ対応」をとる人がいます。そのような人の頭の中には、「無理に気を遣うと相手に悪いから、昔と同じように接した方が良いだろう」という考えがあるのでしょう。「がん患者になっても、昔と同じであってほしい」という願いも込められているのだと思います。

 

しかしながら、がん患者に限らず、「いつまでも変わらない人」というのは、この世に一人も存在しません。「男子三日会わざれば刮目して見よ」ということわざもあるように、たった数日会わなかっただけでも、人というのは驚くほど変わります。

 

「相手がどんなふうに変わっているのだろうか」と考えて、その変化に応じて適切な対応をとることは、人としての最低限のマナーです。「変わってほしくない」「昔のままでいてほしい」と願うのは勝手ですが、それは自分の心の内だけにとどめておくべきものであり、外部に持ち出すようなものではありません。人というのは、生きている限り変わり続けます。その変化の中にこそ「生き甲斐」は存在するのです。

 

がんについて