がん

がん治療における「最悪の事態」とは

 

がん患者の大半は、がん治療を受ける際に「最悪の事態」を想像します。想像したからといって事態が好転するということはないのですが、それでもつい想像してしまうのが人間の性です。「負の吸引力」というのは計り知れません。

 

一口に最悪の事態といっても千差万別です。ある患者にとっては最悪の事態でも、別の患者にとっては大したことはない事態であるというケースは往々にしてあります。個々人の性格や趣味嗜好が異なるように、事態の受け止め方も異なるのです。

 

がん患者の大半が想像する最悪の事態といえば、「がん治療の効果がほとんどなく、早期に亡くなること」でしょう。このような事態が到来する要因は様々あります。以下がその通りです。

 

・がんが急速に進行する。

 

・がんが転移する(転移が発覚する)。

 

・初回の抗がん剤治療の効果がほとんどない。

 

・抗がん剤治療の副作用が強すぎて、抗がん剤治療を継続することができない。

 

・重篤な合併症(命を落とす可能性が高い合併症)が起こる。

 

上記のものはあくまでも一例であり、最悪の事態を引き起こす要因は他にもたくさんあります。これはがん治療に限った話ではありませんが、想定外の事態に直面した際に、いかにして被害を最小限に押しとどめられるかが鍵です。

 

想定外の事態に恐れおののくのではなく、想定外の事態を想定内の事態に引き入れるように努めることがなによりも大切です。最終的に、「アドリブ能力」の多寡が最終着地点を決めるのです。

 

がん治療

苦痛を緩和させるために患者がするべきこと

 

患者の中には、慢性的な苦痛に苦しんでいる人も少なくありません。「この苦痛はいつまで続くのだろうか」という不安に苛まれて、治療はおろか、生きていくことさえも億劫に感じるようになってしまう患者もたくさんいます。苦痛を緩和させることは、生きる力を取り戻すためには不可欠です。

 

一口に苦痛といっても様々であり、その程度や頻度も千差万別です。当事者である患者の場合、文字通り、身をもって苦痛を体験しているため、「苦痛の様子」が手に取るようにわかります。しかしながら、部外者である医療従事者の場合、苦痛の様子は他人事なので全くわかりません。患者の訴えや表情などから類推するしかないのです。

 

そもそも苦痛というのは、本人が訴え出ることによってはじめて明らかになる類いのものです。なので、たとえ患者が苦痛に苦しんでいたとしても、患者本人がそれを訴え出なければ、苦痛は「なかったこと」になってしまいます。身体の内部の苦痛に対しては、部外者が関与することは不可能です。

 

苦痛を緩和させるためには適切な薬剤を使うのが最も効果的ですが、どの薬剤がどの程度効果があったのかを医療従事者側に伝えられなければ、苦痛は十分に緩和されません。苦痛の実態を正しく把握することができなければ、「苦痛への正しいアクション」もとることができないのです。

 

がんによる痛みというのは、内臓痛、神経圧迫、骨転移の痛みなど様々です。痛みの種類によって、有効薬は異なります。様々な薬を試してみて、「薬の仕分け」を丁寧にすることが、苦痛を効果的かつ効率的に緩和させるためには重要なのです。

 

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