がん

「急な暴発」を防ぐためには

 

患者の中には、それまで平和にやり取りをしていたのに、ある日突然暴発する人も少なくありません。急な暴発がもたらす衝撃は計り知れないため、兆候を察知して、暴発を未然に防ぐように努めることが大切です。

 

「暴発を未然に防ぎたいのはやまやまだけど、兆候が全く見当たらないのでお手上げ」という意見もあるかもしれません。確かに、感情が表に出やすい人もいれば、そうではない人もいます。前者の場合は見ればわかるのであまり苦労しませんが、後者の場合は見てもわからないので大いに苦労するでしょう。

 

しかしながら、感情の大半は、わかりやすい部分には表出しません。「神は細部に宿る」という言葉がありますが、感情の大半も細部に宿ります。そのため、わかりやすい部分にだけ目を向けている人は、「微弱だけれど大事な感情」を見逃してしまう可能性が高いです。

 

よく、「人の感情がわからない」という人がいますが、そのような人はただ「人の感情をわかろうとする努力を怠っているだけ」です。もちろん、どんなに努力をしても、人の感情を完璧にわかることはできません。ですが、完璧にわからないからといって、わかろうとする努力自体を放棄して良いことにはなりません。

 

あらゆる人間関係の肝要は、「相手の尊厳を傷つけないこと」にあります。そして、相手の尊厳を傷つけないためには、相手の感情を忖度するように努めることが大事です。小さな変化にその都度しっかりと対応していれば、大きな変化に戸惑うことはありません。

 

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「未来という想像」に振り回されない

 

がんなどの重篤な病気の患者の中には、「この先どうなるかわからないから、とても不安」という人も少なくありません。がんの大半は加速度的に病状が悪化していくので、「急激な右肩下がりの人生」に不安を覚えるのだと思います。

 

しかしながら、がん患者であろうが健常者であろうが、右肩下がりの人生であることは変わりません。人生というのは、途中までは右肩上がりで推移しますが、ある地点を境にして右肩下がりで推移するようになります。人生の頂上に到達した後は、自らの足で下山しなければならないのです。

 

結局のところ、今度どのような人生が訪れようとも、今目の前のことをやるしかありません。未来に対する不安や恐れというは、ただの想像です。そのただの想像に振り回されて、目の前の人生を楽しむことができなくなったしまったら元も子もありません。

 

現実とは違って、想像というのは限度がないため、放っておくとどこまでも悪化してしまいます。ただ、想像の悪化に歯止めをかけることはとても難しいので、ある程度放っておくしかありません。想像の行方は想像にまかせて、人生の行方は自分にまかせましょう。想像というのは、遊軍のようなものです。遊軍の力を最大限に活かすためには、つかず離れずの距離を保って付き合うことが大事です。

 

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